『ラブ&ポップ』(庵野秀明監督作品)評

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公開時は「『エヴァンゲリオン』の監督の実写映画ぁ? デジタルビデオ撮影ぇ? けっ」とか思って行かなかったのだが、なんだちゃんとした映画じゃん。デジタルビデオ撮影に関しても「出来るだけ小さなカメラで撮りたい」って意思が伝わってくるし。これはスキャンダラスな題材を健全なモラルにのっとって描く「女子高生好きのスケベな中年男」が作った映画である。

これと比較されて評価の高い『バウンスkoGALS』も見てみた(役所広司と佐藤仁美って『ドッペルゲンガー』以前に共演してたんだ)。
で私も比較してみたんだけど、うーん難しいなあ。『バウンス』の方は阿部和重が批判するような擬似ドキュメンタリーな手法と主題説明的なダイアログを、まあ「上手く」まとめていて、しかも、ちゃんと茶髪の女子高生が出てくるというところは「リアリティ」があると言えばあるのだけど…。
事前に撮りたい絵を決めて、しっかりカットを割っている『ラブ&ポップ』の方が志が高いような気もするし。それからエンコーの場面も、生臭く、ちゃんとセックス寸前のところまで絵にしようとしてるし。
『バウンス』はちょっと「物分りが良すぎる」ような感じなんですよね。