取次はどうなのか?

ということが、あまり語られていないようなので、知っている限りで情報公開しようと思います。
新文化http://www.shinbunka.co.jp/kakolog.htmによると日販、トーハンとも減収ながら増益ということで、とりあえず安泰のよう。
書店が潰れていっているのに何故?ということになるけれど、実はそこを補填する取引先があるんですね。
まず書籍や雑誌の物流、商流が「全体として」、どうなっているか、というのがある。
一つには取次ルートがあって「とりあえず書籍中心」。
もう一つ即売ルートというのがありまして、これは何かというと駅売店やコンビニに書籍、雑誌を卸しているところ。こちらは元々は新聞の「宅配でない部門」、多くは新聞社の資本が入っているんだけど雑誌と一部書籍(駅売店とコンビニだから単行本などはほとんど扱わない)も扱っている会社があるわけです。
これに似た扱い商品になるのがJRのキオスクの流通部門の鉄道弘済会というところ、実はここが日販、トーハンに次ぐ規模になるんですが、まあ、ここはお役所、オヤカタヒノマルみたいなもんなんで話から外すと。
JRが独自ということからも判るように即売ルートというのは主に首都圏になります。

そこで問題はコンビニになるわけですね。
74年にセブンイレブンの一号店が出来るところからコンビニ歴史は始まるわけですが、そこでどこから雑誌を入れるかということになった時に、取次と即売のルートがあったわけです。
結果は当初は即売が占める割合が多くて、取次の方が少なかった。まあ、これは物流の点で書店向けの取次の分が悪かったというところになるようですが、
コンビニが、どんどん地方に拡大して行くと首都圏中心の即売の分が悪くなりますし、首都圏の店舗数が増えれば物流面でも取次がコンビニ向けのルートを作るメリットが出てくる。しかも書店からの利益が減っていくということで、近年ではコンビニの得意先を即売から、どんどん奪っていって、大手チェーンは、ほとんど取次ルートというかたちになっています。
ということで、取次の寡占化が進行しているわけですが、コンビニの出店も更に少なくなって行くでしょうし、書店の減少もあるということで、今後どうなるかっていうところでしょうね。
ということになると私鉄の駅売店が焦点になってくるという流れかな。
それから取次の扱い商品の比重が更に書籍よりも雑誌に傾いていく、ということも言えるんじゃないかと。