橋本治の女系天皇擁護論

の後篇を読んだけど、うーんちょっと今ひとつか。
天皇」を「日本」に近づけようという意図なんだけど、やっぱり「天皇」は「日本」からはみ出しているところ、はみ出しながら結びついている、というのが重要だと思うわけで、論じていることの実践的な意味は判るんだけど。
天皇家というのは日本的な「家」のシステム、つまり家を存続させることが最重要課題でそれを継ぐのに、血縁は最重要視しない、ということを組み込んできたので、これだけ長く続いているのは確かなんだけど、「男系」という血縁主義を(色々とキワドイところはありながらも)何とか維持してきたことで、日本一般からすると特殊なカリスマ性を帯びていることも事実なわけで。

実際問題としては紀子妃殿下に男子が誕生したとして彼に継いでもらうか、愛子内親王旧宮家の男性と結婚してという方法で男系を繋ぐか、しかない。
ここで明治以降の天皇制は、ある程度、一回リセットされるわけだけども、橋本治のように女性天皇を認めるべきとも思うけれども、やっぱり皇族の人権ということを考えると、結婚によって国民になれる女性皇族に対して、制限が強まるというところもあり難しい。