いしかわじゅん「のだめの幸福」

 二ノ宮は、のだめや千秋やその他登場人物たちの音楽への愛と畏れを、わかりやすく描いている。決して絵がうまいわけではないが、構成がうまい。言葉がうまい。エピソードがうまい。日本の漫画風土の中で発達した繊細だが大胆なコマ割りで、ぐいぐいと物語を引っ張っていく。