殊能将之の極私的ハワード・ホークス映画祭

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タイトル元ネタ:http://d.hatena.ne.jp/zeroes/20040722#p3

 ロマンティックコメディの三大巨匠について考えてみると、まずエルンスト・ルビッチは「スケベ」である。こんなエッチな映画を撮る人はいない。もちろん、ヘイズ・コード全盛期の映画監督だから、女性のヌードも映らないし、ベッドシーンもない。にもかかわらず、めちゃくちゃエロいのよ。まあ、見てごらんなさい。

ロマンティックコメディについては色々と考えていて書ききれないですが(まず前者とスクリューボールコメディという呼び方で分ける必要はないのとか?)、倫理規定ヘイズコード(=34年以降)がらみということで言えばルビッチが一番、抜け道を考えて技法を駆使した人なんだろうなあとか。それ以前はドイツ(ヨーロッパ)流の艶笑喜劇を撮っていたようですから(このへんの作品を見てないのが教養の無さ)。ワイルダーもこっちの流れで。
それとホークスとかキャプラが至った方向が違うような気がする。まあホークス=単純スケベ(C)小林信彦)ということで。
ホークスは『或る夜の出来事』と同年の34年に同種の『特急二十世紀』を撮っているんだけど、これも未見。

で、本格的にこのジャンルが流行するのは、3年後の37年(『新婚道中記』がアカデミー賞受賞)ぐらいからみたいなんだけど、その間はどうだったのかとか。

ヘイズコードがらみで言えばマルクス兄弟も影響を受けたんじゃないかと思っていて、まずハーポが女性に飛びつかなくなっていく、というのが顕著なところで。『けだもの組合』では本当にけだものなんだけど、『我輩はカモである』(33年)では、ギリギリでギャグにしてたり。

Ernst Lubitsch:http://us.imdb.com/name/nm0523932/
見事に34年から37年まで作品がない。
Howard Hawks:http://us.imdb.com/name/nm0001328/
Preston Sturges:http://us.imdb.com/name/nm0002545/