チャールズ・ウィルフォード『危険なやつら』(扶桑社ミステリー)ISBN:4594019099 読了。

日本でも一定の評価が得られたジム・トンプスンに続いて、どんどん邦訳を進めるべきノワール作家は彼でしょう、ということで。
でもトンプスンとは作風はかなり違う。何より、英語が読みやすいです。"The Killer Inside Me"は原書で読んでみたんだけど、キツかった…。
それとプロットも、きちんと考えて書いている。本書は既に完成済みの中篇に、ストーリーを書き加えて長編化した(あるいは連作中篇化したというべきか)ものなんだけど、これも分量を増やした、というだけじゃなくて、考えてのこと。そのために最後の「あまりにもキツイ冗談」が生きてくる。
シリーズもの以外には、これしか邦訳されていないんだけど、それじゃダメでしょ。"The Burnt Orange Heresy"ISBN:0786706686 を日本語で読みたいなあ。『危険なやつら』も傑作だけど、こっちは超傑作レヴェルなんじゃないかと思う(低レヴェルの英語力での判断だけど)。