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白人のロックは、50年代初頭に生まれた黒人音楽R&Bの一種であるロックン・ロールに影響されて生まれたものであったが、日本ではR&Bというものが一般化したのはプレスリービートルズが輸入された後、68年ごろであった。
70年代後半に起こったパンクの流れはロックン・ロールの初期スタイルに回帰するとともに、特にイギリスでは70年代初頭のジャマイカで誕生した黒人音楽レゲエに影響を76年のクラッシュなどを端緒として受け始め、更に展開していった。日本でもレゲエは当時から一部のミュージシャンたちに影響を与え、幾つかの作品で表現されてはいたが、多くのリスナーを獲得したのは70年代も末になってからで、表現面でも本格化したのは80年代に入ってからであると言える。
ここにも50年代や60年代ほどではないが、白人の音楽がその影響元である黒人音楽よりも先行して日本で広まるという傾向が見られるのではないか。
しかし、その傾向が70年代において、それ以前よりも、改善されているとすれば、現在であれば、よりダイレクトに新しい黒人音楽の影響を受けることができるだろう。
それが日本で新しい音楽が生まれる要因になることを期待したい。


となります。これに関しても御意見がある方は御聞かせ下さい。