Full Of Tears

ファンとはとても自称できないのだけど、清志郎が死んで、何だか想いが千々に乱れて、ずっと色々とこの気分は何なんだろうと思っていたのだけど、
ラジオでの2つの追悼番組を聴いて、やっと彼の死が受け入れられるように感じられます。
NHK-FMでの番組に出演した渋谷陽一と、TBSラジオで司会をした萩原健太(それからゲストとしてコメントを寄せた宇多丸)のような人たちがいて、
何だか、本当、救われた気分でした。

文芸評論家としては若手の方が「日本にはまともな音楽ジャーナリズムも、まともな音楽記事を載せる媒体も存在しないから、清志郎の死は、このままでは世代的な共感だけに彩られた、お涙頂戴的な芸能ニュースとしてしか報じられないだろう。」とか、おっしゃってまして、確かに、もう「ロッキング・オン」も「ミュージック・マガジン」も駄目だとは思いますが、渋谷氏も萩原氏も最良のメディアで真摯に務めを果たしたと思います。
(余談ですが、数ヶ月前、NHK総合でのFM特集に出演した萩原氏は暗に「ペイオラ(オンエア枠の買収)」が民放FMラジオに存在していることを仄めかしていて、素敵だった)

元々、日本の音楽ジャーナリズムってのは、ラジオの中にしかなくて、しかもミュージシャン自身がDJと批評家も兼ねなきゃいけなかった、
というのが紛れもない事実だと私は思っているので、その中でDJとして生き残っている渋谷氏と萩原氏は、やっぱり凄いわけです。

とりあえず渋谷陽一出演の番組。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6988909

でも一番、「やばい」時期の楽曲をかけたTBSの方が圧倒的に良かったのですが。久米宏が「君が代」かけたみたいだし。