ポップアイコンとしての小泉今日子

また『マブ論 CLASSICS』の話。
Bonus Track的に収められている小西康陽との特別対談が非常に面白かったのですが、中でも「ピチカート・ファイブを始めるきっかけ」がKyon2の曲だったというもの。

高浪敬太郎くんが、小泉今日子さんの『まっ赤な女の子』(83年)のシングルを持ってきたんですよ。そのB面の『午後のヒルサイドテラス』っていう曲を「これ好きなんですよ」って聴かせてもらって。で、もうそれに、本当にやられたんだよな……こういう曲だったら僕たちも作りたいね、とか言って。その『午後のヒルサイドテラス』は、いま聴き返せばもう、ピチカート・ファイブそのまんまなんだよ。

恥ずかしながら聴いたことが無かったのでiTunes Storeで買って聴いてみたら、本当。

そこでは「悔しいことに、それも京平先生の曲なんだよね」と作曲者を重視する発言を小西氏はしてますが、
A面でも編曲を担当している佐久間正英の音作りも、これまた凄い。凄いピチカート(笑)
それから作詞は秋元康、つまり後の「なんてったってアイドル」のコンビの曲なわけで、オチが着く。


KYON3

KYON3

最近は古い音源を掘り下げるのは避けているんですが、芸能生活20周年CD Box Setで、どうにもプレイバック。

デビュー1年経って「まっ赤な女の子」でブレイクした後のダンスビートの効いた楽曲群は、
「夜遊びに精通したアイドル」の面目躍如。
それから、やっぱり「お金のかかった音」してますよね。

Disk 2は初の作詞シングル「GOOD MORNING−CALL」(作曲はTK)から始まるんだけど、
自分で作詞すると「アーティストっぽい」(今で言うとアユですな)っていうのも彼女から始まっているような。

ただ「ちゃんとCD自分で探して買って聴いてる」というのが判るのがMusicianshipを感じるところなんですね。
これはまた聖子との断絶点じゃないかと。
去年、紙ジャケで再発されたアルバム群も買いたくなってしまうな。
それからトリビアタンポポのアルバム曲、矢口真里ソロ「センチメンタル南向き」の「南向き」は
「まっ赤な女の子」の歌詞から来てるんじゃないでしょうか。


「いかにもベストテン」な演出!!