ランク配本とPOSデータとハリポタ騒動

コンビニだと大手ではPOSデータを使った配本が浸透しているんだけど、書店ではまだランク配本が多いよう。
ランク配本というのは私が知っている限りだと、ある程度、ジャンル別で分けて、それに対するお店のランクとジャンル内の商品のランクを決めて、配本数を決める方法。
例えば『DEATH NOTE』の最新刊ランクを刷り部数からBと決めて(あくまで仮定ですからね)、少年コミックのランクがAのお店には10冊、Bのお店には9冊、Cのお店には8冊…と決定していくやり方。
これだと「うちは回りに『DEATH NOTE』好きが多くて売れるんだよぉ」と言っても少年コミックのランクがCなら基本的に8冊しか配本されません。まあ、こういう風にお店が把握してれば、それよりも多く配本を受ける方法は、ある程度あるかと思いますが、把握してなければそのまま。
対してPOSデータを使った場合は前の巻が4冊売れてて、その前の巻も同じだとすると最新刊は同じく4冊、今回も配本とか、あるいは人気が出てきていて刷り部数自体が増えたので最新刊は5冊配本、と言う風に、店が把握してなくても、取次のほうで決めてくれる、ということになります。

さて、ここからは例の「ハリポタを買取でいっぱい仕入れたけど、売れ残っちゃったよぉ」という騒動の話になりますが、こういうことが何で起こるかというと店が「データを把握してない」、「データの読み方を知らない」というのが原因だと推測されるわけです。
例えば、注文数を算出するには
1)前回の売れ部数
2)前回の予約数
3)今回の予約数
というのが把握可能なデータです(可能と言うのは「理論的に」で「システム的に」無理なお店さんは、まあいっぱいあるでしょう。小さいところは)。
単純計算では今回の予約数×前回の売れ部数/前回の予約数で大まかに部数が出せます。
まず、ここまでの計算をしていたお店がどれだけあったのか…。

更には前回の予約数よりも今回の予約数の方が、相当数少なければ、「前回読んだけど、今回は読まない人が多そうだから、予約以外の予測売れ部数をもっと抑えよう」というようなやり方もあるでしょう(こういうのの、ちゃんとした理論的分析とかもありそうですが私はヘタレなんで知りません)。

まあ結局、再販=委託のない諸外国の本屋っていうのはこういうことをやっているのだと思います。