スクリューボールコメディと足跡の謎

密室系:http://www2s.biglobe.ne.jp/~s-narita/new/what.s01.12.html(7/18)

そのジャンルの起源については、フランク・キャブラ監督『或る夜の出来事』('34)をもって嚆矢とする、というのが映画批評会の常識らしい(加藤幹郎『映画ジャンル論』(平凡社)。同書によれば、映画史家ボブ・スクラーは、ずっとこの常識に反対し続けていたのだが、『世界映画史』('93)の中で、ついに、自説を撤回したという。映画学業界というのもなかなか大変なものである。)

蓮実重彦の『「知」的放蕩論序説』(河出書房新社)に次のような記述がある。

アメリカの研究者は)三〇年代のどの作品に現実に「スクリューボール」という言葉がでてくるかということも、彼らはまったく指摘していない。その言葉が発せられるジョン・G・ブライストンの『木によじ登る女』(一九三四年)を誰も見ていないらしい。

さて本作は原題"Woman Chases Man"でIMDbのデータだとhttp://us.imdb.com/title/tt0029789/
なんだけど37年になってますね。他も当たってみましたが蓮実氏の方が間違い。
まあ「スクリューボール」という言い方は後から来たんでしょう。
これとか『新婚道中記』とか、まだまだ未見がありますです。
Web上では「嫌よ嫌よも好きのうち、スクリューボールコメディあれこれ」がやっぱり一番詳しいかな。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/4362/k-sbcommedy.html