「ペドという単純で簡単な問題 その2」

http://d.hatena.ne.jp/guide/20040319#p6
でのゲイについての言及に「不適切」な部分があると、3/23と3/25の記述において判断した理由を更に細かく述べることにします。
以下、当該文を私なりにまとめることから始めましょう。

1)冒頭でguideさんは

イメージで遊ぶ人間と実際に犯罪を起こす人間とは別人種

というかたちでペドフィリアと所謂「ロリコン」的な虚構イメージの愛好者を区別しています。

2)ペドという単純で簡単な問題 その1
http://d.hatena.ne.jp/guide/20040319#p6
を受けて

「ペドとそれ以外の男は、異性(女性)の年齢の好み以外は全く同じである」

つまりヘテロペドフィリアヘテロの男性を「対象の年齢」の点ひとつだけで区別しています。
続いて

現在、社会制度としての性への考え方の主流は「お互いが納得ずくならいいじゃないか」ということになっていますね。ゲイだろうがSMだろうが、本人たちが納得づくでやってるんなら、他人がどうこう言う必要はないじゃないか、と。

として性的嗜好は性的交渉を持つもの同士の「同意」に基づけば社会的に認められるが、

しかし、子どもに関することだけは、自己決定権がない、力の違いがありすぎでフェアではない、と言うことでNGになっています。当然だと思います。

つまり子供と性交渉を実際に持とうとすれば必然的にレイプになってしまうから、認められない、と主張しています。
3)そこから発展して、

で、そうなるとペドと社会との関係はどうなるか。というと、結局、「実際に子どもに手を出したら捕まるよ」というだけの話です。

法に抵触するか=犯罪であるか否か、という観点に移行し、直接的な性的嗜好ではない精神病理=盗癖との比較をしています。

4)その上でペドフィリアとゲイを比較して、

ゲイだってそうですよね。ゲイである事はかまわないが、男性が男性をレイプをしたら捕まる。当然ですね。

と書いています。

さて1)及び2)については私も、その正当性を認めます。
3)については、若干の留保があります。つまり窃盗とレイプを同列で扱えるか否かの問題です。しかし、それは横に置きましょう。

さて問題は4)の部分です。
guideさんは何故、「当然」のことを、あえて確認しなければならなかったのか…それについても今回は横に置きましょう。
4)の引用部分の「ゲイ」を「ペドフィリア」で言い換えてみましょう。

ペドフィリアである事はかまわないが、レイプしたら捕まる。

つまり「レイプをしなければペドフィリアであることはかまわない」、という主張です。
この「レイプをしないペドフィリア」に対する「ある種の擁護」が何故、ゲイとの比較においてなされなければならないのか、というのが問題です。
(「擁護」自体の正当性についての判断は横に置きます)。
既にguideさんはゲイが「同意の下に性交渉を行える」のに対して、ペドフィリアは「行えない」という点で「大きな違い」がある、ことを確認されていたはずです。
この違いはヘテロペドフィリアについても同じくのはずです。
では何故、ヘテロを比較対象に選ばなかったのか。
再び引用文を言い換えます。

ヘテロである事はかまわないが、レイプしたら捕まる。当然ですね。

こう書かなかったのはゲイとペドフィリアをマイナーな性的嗜好として同列に置く、同じカテゴリに含めるからでしょうか。
しかし、ゲイが社会的に一定の認知を得ているのは「同意に基づく性交渉が行える」とみなされているから、と確認されていたではありませんか。
「性交渉を行おうとすると必然的にレイプ」になってしまうペドフィリアとは大きな隔たりがあったはずです。
ですから医学的に未だペドフィリアは「パラフィリア」http://homepage3.nifty.com/kazano/paraphilia.htmlとみなされています。
ですから「レイプをしないペドフィリア」に対する「ある種の擁護」を行うとしたら、ゲイは比較対象にならない。単に「マイナーな性的嗜好」という「共通点」に立脚する事はできないはずです。

guideさんは決してゲイとペドフィリアを「倒錯」として同カテゴリに含めているわけではありません。しかし「成人間の異性愛とは異なるマイナーな嗜好」という基準に基づいていることに変わりはありません。
しかしゲイの人たちは、その基準自体に抵抗している、つまりマイナーだからと言って「異常」などという風に全てをひとくくりにできないと主張しているのだと、私は認識しています。
ですから、その「基準」に基づいてゲイとペドフィリアの比較対象とすることは不適切ではありませんか?