再販の問題はCDだけじゃなくて書籍とからめて包括的に考えたい

私なのですが、書籍の方から見ると、ある意味、CDの方を再販から非再販への移行状態と捉えることもできるのでは、というのはあります。

「再販なんて直ぐ撤廃しろよ」って考えるのは理念として間違ってないかもしれませんが、現実的ではありません。もう、書籍の方なんて、少し変えるのだって、現状のシステムが邪魔して難しかったりするようですから。だって返品しやすいようにする、とかのためだけに漫画とか文庫、新書が出版社別の陳列になっている、とんでもない世界なんですから。

音楽CDが小売店からの返品を5%とかに抑えていられたのは、メガヒットがあったからというのもありますけど、基本的には、書籍よりも原価率が低い小売店のマージンが高いってのがあると思うんですね。平均単価も高いですし。
これは小売店によって違うんですけど、大体定価の30%弱ぐらいがマージンなようで、書店は20%強ってところか。1000円の商品を売って300円儲かるか、200円儲かるか、という差。
あと、アイテムの種類がCDの方が少ないので、仕入れ、在庫管理がしやすいとかいう条件もあるか。

だから水面下ではHMVとかでかい所は更にマージンを上げてくれというような要求とかが出てるんじゃないかなと推測してしまうんですけど。これは出版業界も同じ流れがありますから、ただCDの方が返品率の設定がしっかりしてるんで、より小売店側の要求は強くなるだろうと。

「消費者が知らない輸入盤の秘密」
http://music.cocolog-nifty.com/001/2004/03/seacret_of_imp_.html
を読むと再販ではない輸入盤は通常店頭価格の50%ぐらいが卸売り原価なのかなと予想。
全く再販のないアメリカの場合、書籍も50%だそうなんでhttp://www.bookmall.co.jp/abj/amepub/ame1010.html、仮に再販がなくなった場合の落ち着き先はこの位なのか。
まあ在庫処分してしまいたい時には半額セールを出来る原価率ってところで。

まあ返品を受けつけないよ、ってことになると再販の方は成り立ちませんから、再販を撤廃して、原価を50%にした時に、自分のところの取り分がどのぐらいになるのか、というのが、レコード会社も、小売店もソロバンを弾くところでしょうね。
正直、輸入盤でノウハウがあるところは、なくなっても構わないと考えているんじゃないかと思ったり。
ただレコード会社のほうとしては、原価を厳しく言われると色々とつらいところもあるんだろうなあ。透明にしなきゃいけないから内訳を。