「黒人音楽」についての件は明日、アップできるように頑張ってます

が、なにやら2chのレゲエ関係のスレでも取り上げられたようで更に慎重になってます。
こちらに私の関連文章については時系列でまとめています)。
一つだけ、また再度繰り返すことになるでしょうけど、誤解が広がらないうちに書いておきます。

最初の文章を再掲。

ジャパニーズ・パンクについてのメモ(2003/07/07より転載)
本サイトに書いたことの続きのような形で。
何でパンクが来る予感があるのかという、もう一つの理由は、日本における黒人音楽の需要の仕方の変化というところ。
ロックの起源、というのは結局、単純化すると黒人音楽(R&B)を白人がやる、というところにあったわけで、これはアメリカだけでなくビートルズをはじめてする所謂ブリティッシュ・インベイジョン勢も同じ。
パンクのころは更にレゲエ、スカやファンクなどとクロスしていた。
ただ日本のロックとなると、そこらへんにネジレが生じているというか、簡単に言うと黒人音楽の影響が薄い中で、やって来た部分が大きいと思う。
かつては、今以上に、日本人の中に黒人に対する強い偏見があったのは事実だろうし。黒人音楽をやっている白人には憧れても、黒人には偏見を持っているとか、そういうネジレ。
でも今の日本の音楽シーンを見てみれば黒人音楽からの影響は非常に強くなっている。
仮に、それが浅薄なものであっても。そうだったら、そうじゃないやり方をすればいい。これは何に関してもそうだけど。

(※追記http://nauboo.cool.ne.jp/dairy200307.html#0705tの続きとして書いたものですが、独立したものと考えていただいても構いません)。
これに対してm3さんに7/7付けで、次のようにご指摘いただきました。

かつては、今以上に、日本人の中に黒人に対する強い偏見があったのは事実だろうし。黒人音楽をやっている白人には憧れても、黒人には偏見を持っているとか、そういうネジレ。

↑いや〜これは明らかにおかしい!!(笑)。ここで語られてるのって、多分'70年代後半でしょ??。それって”ディスコ全盛期”じゃん。

まず私は[黒人に対する強い偏見]と書いているのですが、ここではとりあえず話を単純化するために[黒人]=「黒人音楽」と思っていただいて結構です。
また当該文は[白人]の[ロック]や[パンク]との関係において[黒人音楽]を考えていますが、とりあえず、それとは別個に考えていただいても結構です。
ただし、ひとつの文は文章の文脈の中でこそ意味を持つのであって、その点はお考え下さい。

その上で再度、説明いたしますと[かつて]という言葉で言いたかった過去は['70年代後半]に限定はしておりません。当該文において視野に入っているのは50年代から現在に至るまでの長い期間です。
[強い偏見]の[強い]は[今]と比較しての程度(比較級)です。
また[今以上に]と書いているように現在も[黒人(音楽)]に対する[偏見]は、存在していると私は考えています(何事に対しても[偏見]の皆無な状態というのは非現実的です)。ただ、「それは50年代から漸進的に弱くなっている」というのが背景にある私の史観です(素朴すぎる進歩史観かもしれませんが、仮説としては有効でしょう)。

私が書いていたのは日本には[黒人(音楽)に対する強い偏見]を持たない人が全く居なかったということではありませんし、日本の音楽が黒人音楽に全く影響を受けていなかったということでもありません。
また、私が問題にしていたのは黒人音楽愛好者ではなくて、そうでない人たち=白人のロック愛好者を含む音楽リスナーの方ですから、いくら偏見が無い人たちがいた、と御指摘頂いても、食い違うのは当然です。

例えばヴェンチャーズによって日本に「エレキ・ブーム」が起こったとしても、その反面で大人たちの中にエレキ・ギターに対する強い偏見があったのは事実ですし、偏見のある人とない人がいるのは当然なわけです。
ですから日本人総体として見たときの問題は「ある/なし」ではなくて比較級としての強弱です。

とりあえずは以上のことを押さえて置いていただければと思います。