ローレンス・ブロック『泥棒は詩を口ずさむ』(ハヤカワ・ミステリ)

バーニイ・シリーズ第三作。第一回ネロ・ウルフ賞受賞。シリーズ化も軌道にのって、変化がついてきた感じ。
まず盗む対象が以前は割りとありふれた「お宝」だったのがかなり特殊なものになったこと。本作以降の原題にある固有名詞(ここではキップリング)が、それに関わってくる。
また相棒役の女性の設定も今回はひねってある。
最後は「さてと言い」な本格探偵小説風謎解きシーンがあるんだけど、トリッキーで、それなりの意外性はあっても、プロット全体に及ぼす「効果」が乏しく面白くないところが難点か。
ただケイパーもの的なところが多いところは、かなり楽しめた。