ギター・ポップとパワー・ポップの違い

まず「ギター・ポップ」というのは、ほとんど和製英語らしい。googleで検索してみると海外でヒットするのはUKとドイツ。後はほとんど日本。
All Music Guidehttp://www.allmusic.com/でもスタイルとして認知されていないです。
で、日本でどう使われているかというと、

  1. 広義にギターを中心としたポップ・ソング。
  2. 狭義にロンドン・パンクに対する、ある種のカウンターとして起こったスコットランドを中心とするインディー・ポップ、カレッジ・ロック。

と言う感じ。
1を基準にするとパワー・ポップとも重なるところは多いのだけど、2だと「ちょっと広げて」ということで重なるだけ。
まずパワー・ポップアメリカ中心。ギター・ポップはUKの特にスコットランド中心。
サウンドでいうとパワー・ポップはエレクトリック中心だけど、ギター・ポップはアクースティック中心。
パンクに対する姿勢としては、パワー・ポップは継承あるいは同時発生的、ギター・ポップはDIY精神とか継承しているものは多いけど、音楽的にはカウンター的な側面が大きい。
時期的にもパワー・ポップは70年代末、パンク勃興の77年に直で続いてだけど、ギター・ポップは80年代に入ってから。

まとめると。
狭義のギター・ポップは80年代に入ってからロンドン・パンクへの、ある種のカウンターとして、スコットランドを中心として登場した、ギター・サウンドを特徴とするポップ・ソングを演奏するインディ・ポップ/ロック・アーティストに対する、日本における呼称。
アメリカ勢でもヴェルヴェッド・クラッシュなどスタイル的に共通するものはそう呼ばれることがあるが、基本的に、パワー・ポップとは「ギター・サウンドを中心としたポップ・ソング」と広義に解釈した時に重なるのみ。