東浩紀・大澤真幸『自由を考える』(NHK出版)読了。

もう既に方々で話題になってるけど(http://d.hatena.ne.jp/helioterrorism/20030511#p1とかからたどってみててください)、やっと読んだ。
東氏が『中央公論』に連載している「情報自由論」は、それなりにチェックしていたので「予習」は済んでいたのだけれど大澤氏の共通するところはありながら異なる視点を得て、更に深く広範囲に議論がなされているという印象。

ちょっと思いついたことをメモ。
本書の中心的な観点の一つに「第三の審級」あるいは「象徴界」の機能不全というものがあって、そこから「貨幣」のこと、更にデフレのことを思い浮かべた。
私は経済とかはまるで疎いんで、とんちんかんな考えかもしれないのだけど、デフレというのは、ある意味貨幣が機能不全を起こしていると考えていいんじゃないか。でもインフレとは違って、それの価値が下がるわけではない。逆に価値は、ここらへん相対的にかもしれないけど上がって、商品の方が下がっている。これは素朴な労働価値説からいえば、労働の価値が下がっていることでもある。
こういう経済的現状が社会状況に影響を与えている、あるいは、それの反映になっているとは考えられないか、ってところだけど、十分に考えられないんで、ここまで。

で「確かケインズがデフレの理論を提唱してたんじゃなかったっけ」って思って検索してみたら「アニマル・スピリッツ」なんて言葉が出てきた!
まあ、「投資意欲」みたいなもので、それを刺激することでデフレを解消するみたいな話らしんですが…勉強します。