『網状言論F改』ISBN4-7917-6009-3より斎藤環の発言

繰り返しますが、ここではまさに「図像」こそが重要なのです。男性の性行為においては、視ることが行為の半ば以上を占めると言われていますし、これは個人的にも共感できる指摘です。男性のセクシャリティは、視覚的なものから決して自由になることができない。だからこそ「絵」が重要なのです。

これは私も"個人的に共感"してしまいます。
ただアイドル"歌謡"ということになると、それだけでは説明できないわけで。
斎藤氏も次のように言ってます。

(前略)おそらく秘密を解く鍵は、でじこの口癖である、あの「〜にょ」という語尾にある。(中略) 精神分析の立場から言えば、ひとが何かに萌える、つまり同一化するために必要なのは、「ただ一つの特徴」です。とにかく際だった特徴が一つあれば「萌え」は成立する。でじこについて言えば、猫耳やらメイド服やらは、単なる萌えの背景に過ぎません。この背景に萌えのリアリティを一挙に呼び込む要素が「〜にょ」なのです。

のりぴー語」を想起してしまいますが、あれは既に漫画/アニメの影響があるか。
ここで斎藤氏が言っているのは「言葉」についてなのですが、アイドル歌謡の場合、それを伝える「声」が重要になってくる。
でないとアイドルの歌に「萌え」られないわけで。