殊能将之氏がWilcoを聴いている

これでファンが少しでも増えてくれると嬉しいんだけど。
Wilcoについて、ちょっと説明しておくと、元々はオルタナティブ・ロック(パンク・ロック)とカントリー・ロックが融合したオルタナ・カントリーという潮流から出発したバンド。前身はUncle Tupeloというバンドで、こちらは結構、カントリー色が強いですが、これはJay Farrarというメンバーがそういう人だったからで、その人が抜けてWilcoになったこともあり、もう一人の中心メンバーでWilcoを引っ張っているJeff Tweedyという人は元々ストーンズっぽいところが強い人なんで日本人も割と馴染める作風だと思います。
Wilcoのアルバムで言うと1st『AM』はあまりオルタナじゃないカントリー・ロック、ルーツ・ロック系。昔からアメリカン・ロックを聴いてきた人には非常にしっくり来るような作品。
2ndの『Being There』は、前作からかなりオルタナ方面に振れた、個人的には「ひとつの代表作」だと思うアルバム。
3rdの『Summerteeth』はポップな部分を拡大した作品でビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソンの『SMiLE』に対するフォロアー的な傾向と共振するアルバム。ちょっとレコード会社の意向が反映されてるかもという、ちょっと「異色作」。
4th『Yankee Hotel Foxtrot』は前のレコード会社ともめて一時お蔵入りしかけたアルバムで、これは殊能氏が聴いている『A Ghost Is Born』と同傾向の作品。ジム・オルークが制作にかかわっている、まあ「今のアメリカのロックの最前線」だと思います。
とりあえず『A Ghost Is Born』を買って気に入ったら『Yankee Hotel Foxtrot』まで一つ遡っていただいて、その後は強い興味があれば、それほど期待しないで他のアルバムを聴くのが「吉」かと。それほど作風の変化が激しいので。