90年代前半なんでバブルが崩壊したにも関わらず音楽産業は成長したのか

というところから考えてみる。

出版はバブル崩壊の影響ってのは、それほど極端には無かったんですね。不況に強い業界ってところで。まあ音楽にもそういうところはあったでしょう。好きな人は他を我慢しても聴くと。
ただ、それだけじゃなくて伸びたわけです。
これには前にも書いたように「邦楽ヒット曲をカラオケで歌うという長期的ブーム」があったということがあります。
なんで、このブームが起こったか、というのを考えると他と比べて相対的に安価な娯楽だったから、というのがいえるんじゃないかと。
小室哲哉って人は「ディスコの後にカラオケで歌う曲」って戦略を立てたってことですが、これって良く考えてみると「ディスコに行く時間を少なくしてカラオケに行く」って流れでもあったのではないか、ということもいえます。
他にも「二次会を飲み屋じゃなくてカラオケ」とか。「一次会からカラオケ」とか。他にも「映画を観ずにカラオケ」とか「コンサートに行かずにカラオケ」とか。

そこでカラオケで歌う曲(CDシングル)を1000円出して買う、あるいは数百円出してレンタルする。やっぱり他に人に差を付けたいから早く、多く曲にアクセスする。特に若い層は。
おお差異が利潤を産んでるぞ(笑)。

でアルバムはというと昔ながらのシングル曲の寄せ集め(アルバム)という色が濃くなったわけです。細かく説明しておくとビートルズぐらいになってアルバムはシングルとは独立したのであって、それまではシングル集=シングルを数枚買うよりも廉価っていうメディアだったので本来のところに戻ったといえます。
だから3枚以上のシングルが入ってれば、もうこれは「安い」という印象を与えるわけですね。

さて先に書いたブームが退潮していくと、どうなるかというと、まずシングルの売上げが落ちます。次にアルバムに波及する。それをどう食い止めるかというとベストアルバムとかコンピなど、もっとカラオケ用のコストパフォーマンスが高い商品を投入する、ということで。

さてカラオケ業界自体はどうなのかってことで調べてみても良いのですが、ちょっとデータが直ぐに見つからなさそうなんで予測で書いてしまうと、売上げは落ちているけど、それほどではないんじゃないかと。
というのは、それ自体は、まだ他の比べて安価な娯楽だから。
消費者側とすれば、新しい曲を覚えることを抑えれば、支出は少なくて済む。懐メロ・カラオケ路線ということで。
ということで言うと若い層は離れていくだろうな、と。
そもそもカラオケというのはコミュニケーションを伴った娯楽なわけで、コミュニケーションというを主体に考えれば、他にも色々とあるわけです。携帯で話したり、メールしたり、道端でだべったり(笑)。まあインターネットも、そういう部分があるわけで若い層は逃げていく。

これでチャージの安いライブハウス(=コミュニケーションを伴った娯楽)なんかがあれば、まだ若者を引き止めておけるかもしれませんが、ショバ代の高い日本だと難しいんで一部の「音楽好き」ということなる。

まあ、そこでどうすれば良いかってことになるわけですが…。